「宇宙とぶっつづきの自己」

2013-10-20

私は、一時期、星空に憧れて、天体観測用の双眼鏡と三脚を買って、自宅から夜空を眺めていた時期があります。
私の自宅は、さいたま市内の比較的、駅に近い場所にあり、近所にマンションの灯りもあるため、およそ天体観測に向いた場所ではありません。
それでも、冬の晴れた時ならば、オリオン座が肉眼でもよく見えますし、双眼鏡を向ければ、オリオン大星雲がうっすらと見えます。
スバル(プレアデス星団)を見れば、双眼鏡に中で多数の星がチラチラと美しく瞬いて見えます。
双眼鏡をのぞいていると宇宙の神秘を身近に感じられ、日常のストレスを忘れて、心が広くなる気がしたものです。

とはいえ、都市部の人口光が溢れた地域ですから、双眼鏡を使っても、天体雑誌に載っている天体写真のように美しく見えるわけではありません。

せっかく、天体観測用の双眼鏡と三脚を買ったのだから、もう少し、夜空の暗い星のよく見える場所で見たいと思い、ある冬の晩に、自動車を1時間以上走らせて、上尾市の外れにあるかなり広い市民公園に行きました。
その付近は駅から遠く、マンションも高いビルも商業施設もないので、さぞかし星がよく見えるだろうと期待に胸が膨らみました。
しかし、実際に、双眼鏡をセットして夜空に向けてみると、多少の違いはあるものの、自宅から見える星空と比べて大きな差はありません。
寒さに震えながら、しばらく双眼鏡から星空の眺めを見ていましたが、がっかりして自宅に戻りました。

その後、インターネットで調べてみると、都市光の光害の範囲は、かなり広いことがわかりました。
東京を中心とする首都圏は、人工光に溢れており、夜空全体を明るくしているため、埼玉県であれば、秩父あたりまで行かないと綺麗な夜空は望めないようです。上尾あたりであれば、さいたま市内と大差がないわけです。
秩父となると、片道3時間以上はかかり、平日に気楽に行ける距離ではないので、自宅近辺の学校の校庭や公園で我慢することにしました。
飽きっぽい私は、そのうち、さいたま市内からの星空観察に飽きてしまい、今では、双眼鏡もホコリをかぶっています。

 沢木老師が「宇宙とスィッチがつく」「宇宙いっぱい」と宇宙を引き合いに出して禅仏教の教えを説法されるのは、沢木老師が活躍された半世紀前には、今よりも、はるかに魅力的な星空が、ごく身近に見えたからかもしれません。

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