『修身教授録』とペスタロッチについて

2014-02-09

「知識偏重」の教育は、ペスタロッチが排したものでした。ペスタロッチの学園では、心を養うことが重視され、「知識」の伝授については、それほど重視されていませんでした。

しかし、世の中が複雑化するにつれて、それだけではやって行けなくなっており、「知識教育」による「基礎学力の養成」は必要不可欠なものとなっています。

「知識教育」偏重となるにつれ、学校も効率的に知識を伝達する場となってきて、ペスタロッチの理想とかけ離れて来たのも事実でしょう。それが教育者も、親も、一般の人も、ペスタロッチに共感しにくい原因の一つとなっています。

さて、ペスタロッチの教育理念を企業の人材教育に当てはめて考えてみましょう。

「知識教育」とは、「スキルやノウハウの教育」であり、「智慧の教育」は、「リーダーにふさわしい人格・識見を養う人物教育」(リーダーの人間学)と言えるのではないかと思います。

実際には、両方とも必要であることは間違いありません。どちらかといえば、20代から30代前半くらいまでは、「知識やノウハウやスキル」重視でいかざるを得ないと思います。

しかし、30代後半以降、管理職として、職場のチームリーダーとしての活動の比重が多くなるにつれて、「人格・識見を養う人物教育」(リーダーとしての人間学)が必要になると思われます。

「人格・識見を養う人物教育」(リーダーとしての人間学)は、科学技術のように体系的に教えることができない面があり、それだけに学ぶことも教育することも難しいと思います。

一つの方法としては、『修身教授録』や『論語』のような古典を丁寧に読んでいくことであろうと思います。

特に、『修身教授録』は、分かりやすい日本語で書かれているだけに、「人間学」を学ぶために大変優れた書といえるでしょう。

このような素晴らしい本が、平成になって復刊され、10万部以上も売れるロングセラーになっているというところに、日本の底力が現れているように思います。

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