『新緝 森信三全集』について

2013-11-20

たまたま、今月の「こてんば読書会」で課題図書に『現代の覚者たち』選ばれ、久しぶりに読み直して、感動を新たにしたところです。

とはいえ、私は、今年(平成25年)9月に出版された『新緝 森信三全集』を読み始めたところだったこともあり、もっぱら第1章の森信三先生のインタビュー記事に関心が集中しました。

この記事については、致知出版社の藤尾社長の講演で興味深いお話を伺いました。
昨年だったと思いますが、致知出版社主催のセミナーで藤尾秀昭社長(致知出版社)が、自ら書いた想い出深い記事として、
『現代の覚者立ち』所収の森信三先生インタビュー記事をあげておられました。

昭和60年(1985年)、藤尾社長は、『月刊致知』に載せるインタビューのために初めて森信三先生とお会いして大変感動されたそうです。
当時、森信三先生は、『森信三全集続編8巻』を出版し、晩年の精力を傾けた「全一学」五部作を完成して2年ほどたった頃ですが、全国の教育関係者には信奉者がいたものの、世間的にはほとんど無名の存在でした。
それは、森信三先生が、通常のマスコミを避けていたからでもあるようです。

しかし、人間学を追求する『月刊致知』の編集方針を理解されたのか、森先生は、快くインタビューに応じ、さらに藤尾社長の真摯な姿勢に共感したようで、インタビューの時間が予定を超えて大幅に長引きました。
ついには、森信三先生が、実践人の家までインタビューに来てくれた藤尾社長を労って、お寿司をとってご馳走してくれたとのことです。

森信三先生へのインタビューは、感動のうちに順調に終わったものの、そのあと、限られた雑誌の紙数に合わせて、森信三先生の真価を読者伝えるような記事をまとめるのに、藤尾社長は大変な苦労をされたそうです。

3日間ほど原稿と四苦八苦の格闘をして、やっとまとめた記事が『現代の覚者たち』に収録された記事だとのことです。
藤尾社長にとっては、いまでも良い出来であると自信の持てる記事の一つであると藤尾社長自ら語っておられました。

1985年の『月刊致知』のインタビューの後、森信三先生の知名度も上がり、その後、しばしば『月刊致知』に登場されました。

さらに、前述のように、1989年に致知出版社から『修身教授録』が再編集されて刊行され、地味な本であるにもかかわらず、クチコミでじわじわと支持が広がりました。
ついには、20年以上かけて累計10万部を超えるベストセラー、ロングセラーになりました。本の売れない21世紀において、10万部という部数は、かつての50万部にも匹敵する規模ではないでしょうか。

まして『修身教授録』は、人間学の素晴らしい名著ではあるものの、軽薄なスキル本ではなく生真面目な本ですから、出版界の常識からいえば、到底、一般受けしないと思われる本です。
それが、10万部を達成したことは、致知出版社の藤尾社長にも驚きだったそうです。

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