『禅と陽明学』より「儒教と老荘と禅」

2014-03-28

「全(まつた)き生、永遠の生、永生、全生が期待される」とは、陰陽のバランスがとれることによって、「太極(たいきょく)」という根本的な宇宙の大生命と深く共鳴できるということでしょう。

「太極」は、宇宙を創りだして現在も発展進化させている永遠の生命力を象徴する言葉であり、禅仏教でいえば、「仏性(ぶっしょう)」とほぼ同じ概念ではないかと思います。

人間の生には限りがありますが、「太極」の発展進化は永遠であり、私たちもよい生き方をすることによって「太極」の発展進化の働きに参加することができ、宇宙の歴史に永遠に刻み込まれるということではないでしょうか。

さて、このような陰陽の働きにおいては、どちらが表に表れているかといえば、「陽」の方であり、その「陽」の働きに対応する思想が、儒教であると安岡先生は解説されています。

>これはプラスが、つまり陽が建前になっている。
>この建前を取るものが、
>孔孟(こうもう)系統の思想になるわけです。
(『禅と陽明学』上巻p.156)

「陽」という発展分化の働きを建前として、より良い方向に発展させていこう、発展の方向性を正しくしていこうというのが、孔子や孟子の教えを受け継ぐ儒教の思想ということになります。

>だから共に根や幹を、

>根幹(こんかん)を重んずるのだけれども、
>造化(ぞうか)の理法に従って次第に分化発展する。

>その分化発展を分散、混乱、破滅に陥れないで、

>それをいかに整えて、根幹との結合を固くし、

>木そのものを正しい意味における繁栄に導くか、

 >こういう建前です。
(『禅と陽明学』上巻p.156)

根幹を重んじつつも、発展分化の方向性を調えることで、人生や社会を正しい意味で繁栄に導くというという思想が儒教であるわけです。

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