『禅と陽明学』より「儒教と老荘と禅」

2014-03-11

安岡正篤先生は、『禅と陽明学』の中で、「易」(えき)の思想をもとに、この世界の発展のあり方を解説されています。

「太極(たいきょく)」という根本的な大自然の生命力が、陰陽の原理によって、生命が進化するように発展していくというとらえ方です。

さて、その自然の発展法則は、自然の一部でもある人間の心のありようにも当てはまります。
それは、儒教や禅など、精神的な教えのあり方に影響しているというのが安岡先生の見方です。

>我々の現実の心理においては、つまり進歩、向上を求める心、
>これは仏教でいうと菩提(ぼだい)を求める求道心、
>菩提心(ぼだいしん)、
>一般的にいうならば、理想というものになって、
>情熱をわかして進んでゆく。
(『禅と陽明学』上巻p.156)

自然界が、太極から無限に分化発展するように、人間にも、もともと、進歩や向上を求める心が備わっていると安岡先生は書かれています。

それは、一般的な言葉でいえば、「理想に向かって進む心」であるが、それを仏教では、「菩提心」(ぼだいしん)と表現します。

菩提心とは、阿耨多羅三藐三菩提心(あのくたら-さんみゃくさん-ぼだいしん)の略で、「菩提」という無上の悟りを求めて,仏道修行に志す心をいいます。

簡単に言えば、「菩提」という仏教の教える最高の境地を目指して努力する心ということです。

禅仏教では、このような「菩提」に到達できる可能性は、本来、誰にでも、備わっていると考えます。

儒教も、仏教もそうですが、東洋では、性善説が基本となります。人間は、本来、無限に発展できる可能性を誰もが持っていると考えているのです。

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