今東光の毒舌人生相談-その6「神や運命について」1

2013-05-03

今東光師(こん-とうこう、1898生―1977没、天台宗大僧正、中尊寺元貫首)の『毒舌身の上相談』(集英社文庫)は、悩める相談者を「そんなことで悩むな、バカヤロウ!」と激しく叱る言葉が多く、独特の痛快さを生み出していると思います。

しかし、毒舌大王とでも言うべき今東光師も、僧侶として宗教に対する質問については、深い回答をされています。

珍しく、質問者を誉めている回答もありますので、それを紹介しましょう。ある若者からは、以下の質問が寄せられています。

★神や運命について
人類が続く限り、神とか運命とかいう言葉は、人の心にいつまでも宿ってはなれないだろう。
実際、真摯(しんし)な努力を続けてゆく人間ほど、
自己の生涯に運命的なものを感じるのではないかと思う。
ぼくには、この世の人間の営みには人の力の及ばない何かの力が
作用しているのではないかと思えてならない。

今先生はこれについてどうお考えになるか。
(大分県 19歳)

「自己の生涯に運命的なものを感じる」「この世の人間の営みには、人の力の及ばない何かの力が作用しているのではないかと思えてならない」という内容の質問です。
端的に言い換えれば、「神や仏(サムシンググレート)は、本当にいるのですか?」という深い問いです。

私たち日本人の多くは、漠然と、神様、仏様を信じているように思います。お正月に神社やお寺に初詣する人はたくさんいます。
また、多くの方は、仏教式でお葬式を行い、1周忌、3回忌、7回忌などの法事を大切にします。
家に仏壇があって、毎日、お線香を上げている方も、お年寄りを中心にたくさんおられるでしょう。
年齢を重ねれば重ねるほど、また、人生の終わり(死)を意識するようになればなるほど、人智を超えた神や仏の存在を信じる気持ちが深まるように思います。

しかし、この質問をしたのは、若干19歳の青年ですから、質問者も、宗教的な資質の高い方ではないかと思われます。

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