今東光の毒舌人生相談-その2「ウマの合わない上司」(6)

2013-05-03

ちなみに、臨済禅の修行を猛烈にやって、禅仏教の修行体験を基礎に、独自の日本的哲学を築いたのが、西田幾多郎(にしだ-きたろう)です。

西田幾多郎の主著『善の研究』(岩波文庫、講談社学術文庫など)では、「純粋経験」という概念を基礎としてその哲学を構築しています。
「純粋経験」とは、意識による判断が起こる前の直覚的経験のことです。

西田幾多郎の哲学的な議論を説明することは、私のような哲学の素人には難しいのでこれ以上は書きませんが、「純粋経験」という概念は、禅でいう「三昧(ざんまい)」の境地と似ていると思います。

「三昧(ざんまい)」とは、深い精神集中の状態を言います。
本来は、深い瞑想状態を言う言葉であろうと思いますが、より広く、目の前の事象や作業などに集中して余計な雑念が起きないような状態も「三昧(ざんまい)」の状態と言えます。

「三昧(ざんまい)」とまでは言えなくても、目の前のことに集中している時には、他人の思惑などは、気になりません。
生き生きと自分が生きている状態と言えるでしょう。

上司など職場の人間関係が気になって、腹が立つときは、とりあえず、それを棚上げにして、目の前の仕事に集中すると良いでしょう。
 
 こちらは、「気に食わない上司」と思っていても、実は、独り相撲で、先方は、温かい目でこちらを見てくれていることもあります。
 
 仕事に集中して、少しずつでも成果が上がれば、職場内の人間関係も自然によくなることでしょう。

今東光(こん-とうこう)師の「自分が嫌われた方が被害が少ない」というアドバイスは、

「他人との人間関係にあまり悩まずに、やるべきことに集中しろ。
 そうすれば、自然と道は開ける」

というアドバイスとして私は理解したいと思います。

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