形のない塔を建てよ!

2014-09-24

■宇宙一杯の自己を悟れ(1/3)

 

さて、忠国師(ちゅう-こくし)がお亡くなりになると、粛宗(しゅくそう)は遺言にしたがい、耽源(たんげん)を探し出して、
「形のない塔とは、どのようなお墓であるか?」と問いました。

すると、耽源(たんげん)は、次のような詩を作って、差し出しました。

「北の端(はし)から南の端(はし)まで
国中に黄金が満ちている
影の無い木の下につながれた乗り合い船
水晶のお城に、善き指導者はいない」

これまた、詩そのものが、「禅問答」というべき内容です。

耽源(たんげん)は、師の忠国師(ちゅう-こくし)の心を汲んで、あくまでも粛宗(しゅくそう)への禅指導として、この漢詩を捧げたのでしょう。
現代の禅道場でも、この漢詩自体が公案(こうあん)として使われています。

なぜ、この漢詩が、忠国師(ちゅう-こくし)の「形のない塔」になるのか、漢詩の内容を禅の専門書に従って説明しましょう。

まず、第1句「北の端(はし)から南の端(はし)まで」とは、全世界、天地の間いっぱいに広がっているということで、つまり宇宙全体ということです。

同時に、北でも南でもない、坐禅三昧になった自分自身の心の姿を指しています。「形のない塔」とは、悟りの世界のことを指しており、すべての人の心に本来備わっており、宇宙一杯に広がっているものです。

一休禅師(いっきゅう-ぜんじ)の作と伝えられる道歌も同じことを説いています。

「極楽(ごくらく)は  西方(さいほう)のみか  
東(ひがし)にも  北道(きたみち=来た路)さがせ  
南(みんなみ=皆身)にあり」 (一休禅師)

極楽(ごくらく)は、西方浄土(さいほう-じょうど)といって、西にあるとされています。

しかし、禅の教えでは、

 

「極楽は、西だけではなく、東にもあるし、
北にも南にも、どこにでもある。
北道(きたみち)、つまり「自らの来た路」を振り返り、
自分の心の奥底を見つめれば、
南(みんなみ)=めいめいの心の内にある」

ということです。

 

 

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(千代田区立の公民館)

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