禅の効用⑩ 「心に対する効果」-2

2013-01-13

私も、坐禅に集中して深く座れた後は、心が洗われたような新鮮な感じがします。そういう時は、普通に街で見る空の青さや雲の姿がとても美しく感じます。
何気ない空の雲のあまりの美しさに感動して、目を見張るような思いがします。まるで、大自然と自分が深いところでつながっているような感じです。

禅によって、心が澄んできて「自分が宇宙全体と心の深いところでつながっているのではないか」という実感が得られるというのは、とても、素晴らしい体験です。

こういう時は、ほんのひと時でも、自分のエゴから解放されて、深く静かな幸福感を感じます。
「自己発見・自己超越の効果」とは、坐禅やイス禅によって、このような心洗われる体験を積み重ねることにより、心が本来の豊かな感性を取り戻していくことあると思います。

イス禅により、心が本来の豊かな感性を取り戻していくことが、なぜ「自己発見・自己超越」といえるのかについては、もう少し説明が必要でしょう。
その点につきましては、ユングの深層心理学やアーヴィン・ラズロ博士の宇宙哲学などから、「人間の心が深いところで宇宙全体とつながっている」という仮説をご紹介したいと思います。

もっとも、これは、検証可能な仮説というより、ひとつのロマン的な思想というべきかもしれません。しかし、近代科学が確立された17世紀より前の世界では、むしろ常識的な考え方でした。

日本でいえば、江戸時代までは常識であり、明治以後も、太平洋戦争終結までは、日本人の心の中に一般的に受け継がれた感覚ではないかと思います。

また、終戦後も、日本の高度成長をつくりだした戦前の教育をうけた世代の経営者、たとえば、松下幸之助の経営哲学や人間観には、「宇宙と人間生活を一体と見る」考え方が現れています。日本人にとっては、自然と人間を完全に切り離してみる近代化科学的な考え方より、なじみ深い考え方ではないでしょうか。

いま、世界中で、そのような考え方が見直されてきています。そういう意味で、知っておいて損はないと思います。
また、日常生活に流されがちな私たちにとって、「人間と宇宙とは深いところで一体である」という考え方を理解したうえで、イス禅などの瞑想を通して、そのような実感を養うことが精神の健康を保つうえでも、とても役に立ちます。

それでは、項を変えて、深層心理と宇宙との関係について説明いたしますが、その前に禅の「悟り」について、簡単に説明したいと思います。

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