般若心経について-その3「経題」(1)摩訶(まか)

2013-05-03

『般若心経(はんにゃしんぎょう)』は、一般に親しまれているお経の略称です。

日本の禅宗で読誦される経典の正式名称は、『摩訶般若波羅蜜多心経』(まか-はんにゃ-はらみた-しんぎょう)となります。
このお経の名前自体に深い意味があり、古来、様々な注釈がされています。部分に区切って、経題の意味を確認しましょう。

「摩訶(まか)」

現在、日本や中国で広く読まれている『般若心経』を翻訳したのは、中国の唐時代の玄奘(げんじょう:西暦602年 – 664年)ですが、玄奘の翻訳では、「摩訶」の文字はなく、『般若波羅蜜多心経』(はんにゃ-はらみた-しんぎょう)となっています。

岩波文庫(中村元・紀野一義訳注)によれば、日本に『般若心経』が渡来してから、お経を尊重する意味で、題名に付け加えられたもののようです。

山田無文老師は、最初の「摩訶(まか)」について、以下のように解説しています。
(引用は、『般若心経』山田無文老師著、禅文化研究所刊行より)

「摩訶(まか)には、大、多、勝の三義有り、
 これには大、多、勝の三つの意味があると言われております。」

「摩訶は、ただ大きいだけではなく、
 その中にはいろいろな複雑な内容があり、
 しかも、その内容が非常にすぐれておる。
 それが摩訶であります。」

摩訶(まか)は、「大きい」という意味が基本ですが、それだけではなく、「多―非常に数が多い」「勝―すぐれている」という意味もあり、『心経』が大変優れた大事なお経であることを讃える言葉であるということです。
日本人が、どれほど、『般若心経』を大事にしてきたか、わざわざ、経題に「摩訶」を付け加えていることからも、伺えると思います。

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