今東光の毒舌人生相談-その6「神や運命について」(2)

2013-05-03

今東光師の人生相談が連載された「週刊プレイボーイ」を愛読者は、十代後半から二十代前半の若い世代です。

私のように50歳をすぎた人間はともかく、青年時代に、神や仏の存在を深く信じることのできる人は少ないのではないでしょうか。

若さに溢れ、生命力旺盛で、将来に様々な夢を描くことができる青年期においては、神仏を信じられないのは、ごく自然なことかもしれません。

その点、この読者は、若干19歳で、

「この世の人間の営みには、人の力の及ばない何かの力が、
作用しているのではないかと、思えてならない」

という宗教的な感慨を持っているのですから、非常に感性が深いと思います。
もしかしたら、何かの難病と戦っていたり、経済的社会的に困難な境遇におられるのかもしれません。

しかし、質問内容からは、質問者の客観的な事情はわかりません。
あくまでも内面的な疑問として質問されていますので、本来的に宗教的な資質が高い人と考えるのが自然でしょう。

今東光師も、そのような宗教的資質の高い人という前提で、いつもの毒舌を控えて、真面目に、正面から回答されています。

<今東光師の回答-1>
それは確かにおめえの言う通りなんだ。

おめえみたいな人こそが、
仏教なりキリスト教なりを少し覗いてみて、

信仰の道に入って神や仏というものと接心することが大切だ。

「接心」(せっしん)とは神なり仏なりと心を接し、道を求める
ことで、おめえなんかには非常にいいことじゃないかと思うね。

今東光師は、「接心」(せっしん)という言葉をつかって、神なり仏なりと心を接し、道を求める生き方を勧めています。

ちなみに接心というと禅の世界では、修行の会のことを言います。

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