今東光の毒舌人生相談-その3「えばり過ぎる上司」(1)

2013-05-03

今東光師(こん-とうこう、1898生―1977没、天台宗大僧正、中尊寺元貫首)の『毒舌身の上相談』(集英社文庫)には、職場の上司との人間関係に悩む相談とその回答がいくつかあります。

その中から、有能だけど、「威張(えば)り過ぎる上司」に関するものをご紹介しましょう。

「社長はいい男だが、二代目の息子だけは、我慢がならない。
生意気で、二代目の威光をカサに来て、人をアゴで使いやがる。
仕事はできるし、新しい取り組みもする。

これで、えばり散らさなければ、文句はないのだ。
こんなバカ上司をぎゃふんと言わせる小気味よいセリフがあったら
教えてくれ。」

という相談に対する今東光師の回答です。

それはねえ、何にも言うことはないんだ。
威張(いば)りたい奴には、うんと威張らせておけばいい。

そのうちに高転(たかころ)びに転ばあね。

いまのところは、「やっぱりあんたは偉いぜ。あんたが日本一やで」と言って喜ばせておいて、
高転(たかころ)びに転(ころ)んだ時、
大いに笑ってやりゃあいいんだよ。

いま、こんな野郎の鼻っ柱をいくらぶん殴ってやっても、
こたえやせん。
そんな傲慢(ごうまん)な奴はね、
いくら小気味のいいセリフでへこましても、

絶対に負けたとは言いたがらないよ。

高転(たかころ)びに転落して、
はじめて「ああ、おれはまだあかんな」と気がつくもんだ。

それまでは黙って見てた方がよい。
なにもカッカすることはないさ。

『毒舌身の上相談』(集英社文庫)より

いつもながら、痛快な毒舌回答ですね。

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