今東光の毒舌人生相談-その3「えばり過ぎる上司」(7)

2013-05-03

さて、話は少し変わりますが、政界をみても、経済界においても、現在は、2代目、3代目の時代になってきています。
それを踏まえて考えたことを余談として以下に書きます。

日本は、100年以上続いている企業が世界一多い国だそうです。
江戸時代以前から200年も300年も、あるいはそれ以上に続いている企業もあります。

その中には、株式会社金剛組(こんごうぐみ)という世界最古の企業があります。
金剛組は、神社やお寺の建築の設計・施工、文化財建造物の復元、修理等を特技とする建設会社ですが、創業は、なんと聖徳太子の時代(578年)です。

1400年以上の歴史を持つ企業がある日本という国は、本当にすごい国です。それだけ国内が平和で、歴史や伝統を大事にする民族性があるということを表していると思います。

中国は、文明としては3千年以上の歴史を有し、日本以上に歴史的伝統を大事にする国だと思います。
しかし、200年~300年のスパンで次々に王朝が交代し(中には、数十年で滅びた王朝もあります)、王朝の交代期には、中国全土が戦国状態になります。
そのような国では、一つの企業が何百年も続くのは難しいでしょう。

禅仏教も、中国の唐(とう)から宋(そう)の時代に禅宗として確立し、日本には、鎌倉時代に中国から伝わりました。

しかし、本家であるはずの中国では、明(みん)から清(しん)の時代、日本で言えば、室町から江戸時代に、禅宗は次第に衰えて形骸化しました。

今日、禅の精神と修行の方法を最も純粋に、かつ、最も高いレベルで伝えているのは、日本の禅寺です。

「禅」の教えは、明治以降、鈴木大拙(すずき-だいせつ)などによって欧米に伝わり、英語でも「Zen」と表記されます。

欧米に伝わった「禅」は、鎌倉時代から江戸時代にかけて日本で磨き上げられ完成されたものであり、中国のものでも、インドのものでもありません。

世界で学ばれている「禅」とは、日本文化(の一つ)であると言って良いでしょう。

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