今東光の毒舌人生相談-その4「バカになれ」2

2013-05-03

禅道場では、「バカになる」とか「大バカ」ということは、必ずしも、非難の言葉ではありません。それどころか、しばしば、ほめ言葉になったりします。

今東光師の回答は、禅道場で言う「バカになれ!」とう言葉の意義を説明してくれているように思います。
学生時代に、私が人間禅道場に通い始めた頃、向こう意気の強い学生にたいして、
「お前は、中途半端なバカだなあ。どうせバカなら、大バカになれ!」
とアドバイする先輩がおりました。

私が尊敬していた先輩は、しばしばそのような注意を受けたそうです。
禅道場的な逆説法です。

私の場合は、ほとんど「うつ病状態」で(当時は、ノイローゼと言われましたが)、精神的にしおれた状態で、禅道場に通い始めましたので、あまり「バカになれ」と言われたことはありません。
多分、私の様子を見て、下手なことをいったら落ち込ませると思ったのでしょう。

しかし、禅で言う「バカになる」とは、「自分に誠実になる」ことであり、結果的に「他人にも誠実になる」ということであることは、私にもわかりました。
「バカになる」ことの大切さは、禅道場の修行を通じて、よく理解できたつもりです。

しかし、頭でわかったからといって、簡単に実行できることはありません。しばしば、小手先でごまかしたくなるのが人情です。

「真実、火の玉になってぶつかっていく」ことのほうが、
ずる賢く立ち回ることよりも難しく、それだけにはるかに価値あることだと思います。

今東光師の回答は、そのあたりを端的に教えてくれています。

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