布施(ふせ)し合う中に生きる

2013-10-25

また、村上和雄先生(筑波大学名誉教授)は、「世界中の研究者が、ゼロから(無機物から)生命を作ろうと努力しているが、いまだ、細胞一つ作ることにも成功していない」ともお話されていました。

46億年前に地球が形成されたとき、地球は、文字通り火の玉のような状態で、全体が活火山状態だったようです。当然、その時は、生命はいなかったでしょう。
その後、10億年くらい経過して、今から30億年以上も前に地球上に生命が現れたのですが、その起源はいまだに謎に包まれています。

昔、子供向けの科学雑誌で、古代地球の大気を再現した実験装置に雷に相当する人工的な電気ショックを与えると、無機物から有機物のアミノ酸が自然に生成されるという記事を読んだことがあります。
アミノ酸は、生物の身体を構成する基本要素ですから、アミノ酸が自然に生成された以上は、生命も、原始地球において自然に発生したに違いないという解説でした。

しかし、単なるアミノ酸は、生命の構成物質ではあっても、生命体とは言えません。それ自体で「生きている」わけでありません。
その後、遺伝子学の大発展に伴い、様々な実験が行われ、遺伝子の組み換えなども可能になりましたが、いまだに、無機物から生命を作り出すことはできないのだそうです。

ちなみに、3年ほど前に、ケーブルTVのナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで「人工生命の誕生」というドキュメンタリー番組が放映されました。

タイトルに驚いて、番組を録画して見てみると、アメリカの遺伝子学者が、ある細菌の遺伝子を別の細菌に組み込んで、地上にない新しい種類の単細胞生物を作り出すことに成功したという内容でした。
それ自体は、遺伝子工学における画期的な成果なのかもしれませんが、無機物から生命を作り出したわけではなく、あくまでも既存の生命体を遺伝子的に改造したというレベルの話です。

やはり、ゼロから生命を生み出すことは、神のみ技であり、人間の手の届かない世界のことなのかもしれません。

生命がどこから来たのか? 
なぜ地球に、これほど豊かな生命圏が形成されたのか?
すべては、大きな謎のままです。

このように考えると、食べ物を作る農業とは、あくまでも「植物や動物の生命の営みを人間がお手伝いする産業」と言えるように思います。
農業や漁業によって、日々の食べ物をいただいている私たち人間は、地球の豊かな自然によって、あるいはそれを創造したサムシンググレートによって、「生かされて生きる」存在なのだと感じます。

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