本来の面目とは?

2014-07-05

■慧能(えのう)を追いかけろ!(2/2)

700人の弟子たちの中でも、人物のできた高弟達は、弘忍(ぐにん)の意図や慧能(えのう)の実力を察することができたようです。

慧能(えのう)の詩は抜群のできで、高弟たちにはその価値がわかったからです。

事実、弘忍(ぐにん)の一番弟子で、後継者候補No.1であった神秀(じんしゅう)は、慧能(えのう)を高く評価しており、晩年には、皇帝(則天武后)に慧能(えのう)を名僧として推薦したことがあったと伝わっています。

弘忍(ぐにん)や神秀(じんしゅう)など、一流の禅僧は、慧能(えのう)の天才性を素直に認めることができました。

しかし、長年修行しながら、なかなか悟りを開けない凡人の修行者もたくさんいました。そのような人々が慧能(えのう)の天才性を理解できなかったとしてもやむを得ないと思います。

師匠の弘忍(ぐにん)は、そのような修行のできていない弟子たちが、天才的な慧能(えのう)をねたんで、害することを恐れました。

弘忍(ぐにん)の指示で、慧能(えのう)は、後継者の証となる寺宝のお袈裟(けさ)と鉢(はち)を持って、弘忍(ぐにん)の寺から中国の南方に逃げました。

数日して、慧能(えのう)が後継者になったこと、寺の宝であるお袈裟(けさ)と鉢(はち)を持って逃げたことが分かると、道場中が大騒ぎになりました。

慧能(えのう)に対する嫉妬からか、慧能(えのう)を詐欺師や泥棒呼ばわりして、後継者の証である袈裟と鉢を取り返そうという者が出てきました。

神秀(じんしゅう)のような優れた弟子たちは落ち着いていたと思いますが、血気盛んな弟子たちは、いくつかの捜索班をつくって、慧能(えのう)を追いかけたのです。

その中で、慧明(えみょう)という元軍人の僧が、ある山道で、慧能(えのう)に追い付きました。

そこで、慧能(えのう)と慧明(えみょう)の間で、有名な禅問答がなされました。どのような禅問答なのでしょうか?
どうぞ、続きをお読みください。

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(千代田区立の公民館)

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