謙虚に感謝する心

2014-05-16

■ダルマの最終試験(2)

一人目の弟子は、「文字に書かれた教えを踏まえつつも、それにとらわれずに、教えを日常の中で使っております。」と答えました。

禅の教えは、「不立文字(ふりゅう-もんじ)」といい、本当のところは、言葉で伝えきれないといわれています。そのことを踏まえて答えたのでしょう。達磨(だるま)の高弟として、立派な答えです。

それに対して、達磨(だるま)は、「お前は、わしの皮を得ている。」と一定の評価を与えました。とはいえ、「皮を得ている」という言葉は、「正しいけれども、まだ浅いな」というニュアンスです。

次に二人目の弟子は、「私は、仏教の教えの真実味がわかり、物事に執着しなくなりました。」と答えました。

これは、一人目よりも、かなり高い境涯のようで、「お前は、わしの肉を得ている」と達磨(だるま)は言いました。

三人目は、「私は、 肉体も精神も、さらにまた、あらゆる存在も、空(くう)であるとの悟りを得ております。」と答えました。

般若心経の「空(くう)」教えを身につけているということを申し上げたわけです。これに対して、達磨(だるま)は、「お前は、わしの骨を得ている」と、前の2人よりさらに高い評価を与えました。

さて、4人の高弟の中で、最後が慧可(えか)でした。慧可(えか)は何も言わず、黙って達磨大師(だるま-だいし)に丁寧に礼拝し、弟子としての定位置に立ちました。

それを見た達磨(だるま)は、「お前は、わしの教えの真髄を得た」と最高評価を与え、中国禅宗の二代目の指導者として慧可を認めました。

さて、この禅問答から、私たちは何を学べるでしょうか?

<イス禅セミナーのご案内>
 「禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会」(第3回)

イス禅と禅仏教の古典(無門関など)に学ぶセミナー第3回を
5月23日(金)に、秋葉原駅近くの区民会館で開催します。

前半は、イス禅の実修、休憩後の後半は、禅の古典からの講話です。
禅に関心のある方は、どなたでも参加できます。

日時:2014年5月23日(金)19時~21時 
場所:JR秋葉原駅そばの「ふれあい会館」(千代田区立の公民館)

詳しいご案内と申込みは、以下をご参照ください。

古典に学ぶ人間学勉強会

Copyright© 2012 二代目、三代目経営者を公認会計士が支援する有徳経営研究所 All Rights Reserved.