ジョブズのスタンフォードスピーチと禅
2014-03-22
禅は、日常的な思考をあえて中断して、瞑想によって主体的な見方を確立しようとするものです。
その際に大切なのは、直感的に把握される自分の心の声です。禅の教えは、自分を見失った人間は他人の考えに流されて、独自の創造的な生き方ができないと教えています。
言いかえれば、本当に「自己を知る」ことができれば、私たちの心は、すでに答えを知っているということです。
そのため「自己を知る」ことが、禅修行の目標とされます。
ジョブズのスピーチの前半部分と同じことを日本人の禅者たちは、
8百年も前の鎌倉時代から追求してきました。
その智慧を日本人の禅僧から素直に学んで、自分のビジネスに活かしたジョブズは、やはり、とらわれの少ない、すごい人だったと思います。
ビジネスの世界では、世の中の「流行」はとても大事なことです。
世の中の流れに乗ったほうが成功しやすく、逆行する動きは成功しにくいことは、上場企業の監査経験から、私も痛感しています。
ただ、一口に「流行」といっても、業界ごとに様々なものがあります。
誰をターゲットにするのかを考えてみても、たとえば「若者向けか、シニア向けか」、「個人向けか、企業向けか」などによって「世の中の流れ」は異なります。
結局、自分の立ち位置を明確にしていかないと、世の中の「流行」に関する情報をたくさん集めても、うまく活用できないことが多いものです。
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