今東光の毒舌人生相談-その5「宗教とは?」5
2013-05-03
価値観が多様化し、変化が激しい現代においては、宗教を「価値観の体系」と捉えるよりも、「古人の知恵の集積」であると捉えると良いように思います。
お釈迦(しゃか)様が活躍されて仏教ができたのは、約2500年前です。『論語』の主人公である儒教の聖人・孔子が活躍されたのも約2500年前です。
キリスト教のイエスが活躍されたのは、西暦が示すように、約2000年前です。(旧約聖書までさかのぼれば、2500年以上前からの教えです)
お釈迦(しゃか)様やキリストなど、それぞれの開祖が2000年以上前に出現されたわけですが、その後も、その流れから数え切れないほど、たくさんの高僧、名僧、宗教家が出て、たくさんの古典的名著を残してくれました。
近代科学が成立したのは、17世紀以降でしょうが、それ以前は、科学も宗教も哲学も、かなり一体化していたと思います。
それぞれの時代の最高の知性を持つ優れた方々が、宗教家として深い思索をし、優れた知恵を宗教として残してくれていると言えるでしょう。
特定の宗教を深く信じることができなくても、仏典であれ、聖書であれ、宗教書を読んで、自分の心響く良い教えがあれば、「古人の知恵」として受け取るのが良いのではないでしょうか。
宗教の教えを盲信する必要はありませんが、宗教書は、私たちの人生に別な視点を与えてくれる貴重な「知恵の書」ではないかと思います。
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