今東光の毒舌人生相談-その3「えばり過ぎる上司」(8)

2013-05-03

有名な話ですが、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズは、日本の曹洞宗のサンフランシスコ禅センターで、30年以上も熱心に禅と茶道を学びました。禅も茶道も、日本の伝統文化です。

また、スティーブ・ジョブズの心の師は、故・乙川弘文師という日本人の禅僧だったそうです。
結婚式まで、乙川師の司式で、仏教式で行ったということですから、スティーブ・ジョブズは、日本人以上に日本文化信奉者であったと言えるかもしれません。

ちなみに、禅を学ぶ欧米のビジネスマンは、スティーブ・ジョブズだけではありません。
アメリカでは、300万人もの人が、坐禅など禅的瞑想を行う習慣を持っているそうですし、ヨーロッパの大都市には、一般市民が誰でも参加できる全道場がたくさんあると聞いています。

日本経済は、1990年代のバブル崩壊後、20年余りもデフレ経済が続き、今なお、不景気に苦しんでいます。
日本人は、日本人であることに誇りと自信を持ちにくい時代になっています。

しかし、時価総額世界一のIT企業を一代で創業したスティーブ・ジョブズをはじめ、何百万人もの(もしかしたら、何千万人もの)欧米人が、日本文化である禅を熱心に学んでいます。

日本の政治的経済的な存在感は低下していますが、文化的・精神的な面では、世界に大きな貢献をしていると言えるでしょう。

日本人が日本文化を再度、学び直すことが、日本人の誇りを取り戻す道かもしれません。

日本の企業にとって、経済のグローバル化に対応することは避けられない状況ですが、日本人としての誇りを忘れなければ、日本企業や日本経済は、必ず大復活を遂げるだろうと私は思います。

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