今東光の毒舌人生相談-その4「バカになれ」3
2013-05-03
さて、「バカになる」の反対は、なんでしょうか?
いろいろな表現があると思いますが、辞書的には「利口(りこう)になる」ということでしょう。
「利口」とは、インターネット上の国語辞書によれば、
「要領よく抜け目のないこと」という説明があります。
要領よく、抜け目なく立ち回ることは、一概に悪いことは決めつけられません。
ある種の要領のよさが、仕事を上手にこなすのに役立つことも、多々あるように思います。
しかし、「要領のよさ」だけでは、切り抜けられない難問も、たくさんあります。
むしろ要領は悪くても、一所懸命に誠実に頑張っている姿が、周りの人を引きつけて、一人ではできない大きな仕事を成し遂げる人こそ、優れた社会人と言えるでしょう。
パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、一つの偉大な実例のように思います。
松下幸之助氏は、学歴もなく(小学校中退)、体も弱かったそうです。
しかし、崇高な理念や誠意によって、たくさんの人を動かしました。
家族3人で始めた小さな家内工業を一代で、10万人規模の大企業「パナソニック(旧松下電器)」に育て上げました。
「利口であること」ことよりも、「バカになる」こと、「誠実」であることの凄みを松下幸之助氏は、教えてくれているように思います。
←「今東光の毒舌人生相談-その4「バカになれ」2」前の記事へ 次の記事へ「今東光の毒舌人生相談-その4「バカになれ」4」→