仏の頭を踏み越えろ!
■仏を忘れるのが、禅(1/3)
さて、「仏の頭を踏み越えていけ!」という忠国師(ちゅう-こくし)の答えは、
「仏さまの教えをありがたそうに考えていると、
仏に捉われて、かえって自分を見失うぞ!
ありがたそうなものを捨てていくのが、本当の禅じゃ。」
という意味です。
しかし、長年、禅を学んできた粛宗(しゅくそう)にも、忠国師(ちゅう-こくし)の言葉が理解できません。
そこで、粛宗(しゅくそう)は、正直に「私には、老師のお言葉の意味が分かりません。さらにご教示ください。」と言いました。
それに対して、忠国師(ちゅう-こくし)は、
「自分が清浄法身(しょうじょう-ほっしん)であるという、
その悟りを捨てなさい。」と答えました。
清浄法身(しょうじょう-ほっしん)とは、善も悪もない、絶対的に清らかな心の本体という意味です。
仏教では、「誰もが、生まれながらに、仏さまと同じく、絶対的に清らかな心を持っている」という教えが大前提です。
人間は、本来、仏さまと同じ清らかな心を持っているのに、むさぼり・怒り・ 真理に対する愚かさなどの煩悩(ぼんのう)によって、清らかな心の本体を見失っていると禅仏教ではとらえます。
だから、「坐禅によって、心をみがいて、まず清らかな心の本体を悟りなさい。」というのが、禅仏教のスタートラインになります。
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9月17日(水)に、秋葉原駅近くの区民会館で開催します。
前半は、誰でもできるイス禅瞑想の実修です。
休憩後の後半は、禅の古典からの講話となります。
禅に関心のある方は、どなたでも参加できます。
日時:2014年9月17日(水)19時~21時(開場18時30分)
場所:JR秋葉原駅そばの「和泉橋区民会館」
(千代田区立の公民館)