内山老師「沢木興道老師の坐禅について」

2013-11-23

内山老師が禅門に入る原因というか、動機の始まりは、中学1年の時の英語の教科書にあった言葉だと言います。

英語の教科書に出ていた格言

「Don,t live to eat, but eat to live.」
(食うために生きるにあらず 生きるために食うなり)

を読んで、「本当にそうだ」と感銘したのが出発であったそうです。

ちなみに、この格言のもともとの出典は、ローマの政治家、哲学者であるキケロ(Marcus Tullius Cicero, 紀元前106年- 紀元前43年)の言葉「汝(なんじ)は、生きるために食うべし、食うために生きるべからず(Thou shouldst eat to live; not live to eat)のようです。

もちろん、原文はラテン語でしょうが、それが英語の格言に取り入れられて、日本の英語教科書にも載るくらい、ポピュラーなものになっていました。

キケロは、ローマ帝国の最初の皇帝であったシーザー(カエサル)と同時代の人ですが、政治家としては大成功したとは言えず、独裁をめざすシーザーと元老院との対立の中で、しばしばウナギのように政治的態度を変えていることから、評価が分かれる面があるようです。

しかし、文学者、思想家としては、高く評価され、14世紀以降のヨーロッパにおいてその文体はラテン文学の規範とされました。
キケロの本は、ルネサンスやフランス啓蒙主義、更にはフランス革命に至るまで、知識人たちにおける必読文献とされ、ニッコロ・マキャヴェッリ、フーゴー・グローティウスやシャルル・ド・モンテスキュー、ヴォルテールの思想にも大きな影響を与え、キケロを以て共和主義、民主主義の象徴とする動きが連綿と続きました。

キケロの思想を巡る歴史は、そのままヨーロッパの思想史を説明することにもなるくらい後世のヨーロッパに影響を与えたということです。       
                 (ウィキペディアより)

キケロは、数々の名言を残しており、インターネットでも見れますので、参考までに、私が読んで感心した名言をいくつか紹介いたします。

「汝自身より優れたる助言を言う者なし」

(あなた自身の心より優れたアドバイスをしてくれる人は
 いません。 まず、自分の内心の声に耳を傾けなさい)

「感謝の心は最大の美徳のみならず、すべての美徳の起源なり」

(「ありがとう」と感謝する心は、最も美しい心のあり方だが、
 それだけではなく、すべての美しい心や行いのみなもとである)

「生あるところに、希望もある」

(生命<いのち>のあるところには、必ず希望があるもの。
 希望を失うことは、死ぬのと同じくらい苦しく悲しいことだ)

「書物なき部屋は、魂なき肉体のごとし」

(書物のない部屋は、魂(たましい)のない肉体のようなもの。
 本を読むことが、心を生き生きと保つためには必須である)

「知らざることについて無知を認めるは、恥にあらず」

(自分がしらないことについて、自分が知らないことを
 認めることは、少しも恥ではない。
 むしろ知恵ある人は、自分の知恵の限界を知っているものだ)

「誰でも間違いを犯すことがある。
しかし、その過ちに固執するのは愚か者だけである。」

(だれでも、ミスや間違いをすることがあるが、
 間違いに気がついたら、すぐに改めればよい。
 過ちに気がついても、それを改めることなく、
 いつまでも同じ過ちを繰り返すのは、バカ者のすることだ)

(「キケロ名言まとめ」より )

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