心こそ仏である
2015-08-15
■世界は一つの大きな生き物(1/4)
禅の世界観は、大変、マクロ的でエコロジカルなものです。
人間は、天から大自然と一体の「大きな生命(いのち)」を与えられ、大宇宙によって生かされて生きている存在だと捉えます。
禅的、宇宙的観点から見れば、ビジネスにおける成功不成功といっても、じつは枝葉の問題であり、手段であるということになります。
禅では、人間の根本的な存在目的は、人間の心の成長、つまり人格的完成にあり、それによって宇宙の完成に貢献することであると捉えます。
それくらい人間の心は素晴らしい力を持っていると、先人が自らの禅体験から説いています。だからこそ、「即心即仏(そくしん-そくぶつ)」といえるのでしょう。
20世紀最大の偉人の一人であり、「インド建国の父」といわれるマハトマ・ガンジーは、政治家というよりも、宗教家というべき人でした。
宗教的信念に従って、インドの人々の幸せのために活動した結果、非暴力でイギリスからインドの独立を勝ち取ったのでした。
そのガンジーが、
「もし、ただ一人の人間が最高の愛を成就するならば、
それは数百万の人々の憎しみを打ち消すに十分である。」
という名言を残しています。
これこそ、「即心即仏(そくしん-そくぶつ)」の現代的解釈であると思います。