心でも、仏でもない
2015-08-23
■すべてを超越せよ(2/3)
禅の本にでてくる矛盾した言葉を頭で考えて、ロジカルに理解しようとすると、ますます頭が混乱して、しまいには訳が分からなくなります。
しかし、それが禅の公案の目的でもあります。
あえて理屈がとおらない、非論理的な問題をだすことで、「言葉」のとらわれから私たちを解放しようとしているのです。
禅は、ロジカルシンキングとは、まったく異なる「頭の使い方」を教えようとしています。
それは、ロジック(論理)にとらわれない、直観的な知恵です。
このような禅の教えに親しんでくると、現実のビジネス上の問題に対しても、多面的な考え方ができるようになってきます。
現実世界も、しばしば矛盾に満ちて、簡単には正解が分からないからです。
もちろん、ロジカルシンキングを否定するわけではありません。
現実のビジネスにおいては、まずは、ロジカルシンキングで対処すべきでしょう。
しかし、「あちら立てれば、こちら立たず」、あるいは、「A案も、B案も、C案も、それぞれに長所短所があって、どれが正解ともいえない」という簡単には答えの出ない状況では、最後には直観的な判断が必要になります。