悩みは成長の原動力、ビジネスに役立つ禅の話
2014-04-18
■わざと無視するダルマ(2/2)
慧可(えか)は、「お願いいたします」と声をかけますが、達磨大師(だるま-だいし)は、当然気が付いたものの、わざと聞こえぬふりをして、坐禅をしています。
何回か、慧可は声をかけましたが、無視されてしまいます。これは、達磨大師による一種の入学試験でした。慧可(えか)のやる気のほどを確かめようと思われたようです。
やる気のないものや、中途半端な者であれば、声をかけて無視されたら、あきらめて帰るところです。すくなくとも、今日は都合が悪いのだろうと考えて出直すところでしょう。
しかし、慧可(えか)は、心の中に底知れぬ不安感を抱いており、それに苦しめられていました。また、もともと宗教的素質が高かったようで、達磨大師(だるま-だいし)に試験されていることに気が付いたようです。
おそらく、達磨大師(だるま-だいし)が坐禅をする後ろ姿に、後光(ごこう)がさすような高貴で偉大なオーラを感じたのでしょう。
達磨大師の偉大さを直感的に理解した慧可(えか)は、ひたすら寒さに耐えて、達磨大師の坐禅が終わるまで待つことにしました。
しかし、待つといっても、達磨大師(だるま-だいし)のいる岩窟は小さなもので、2人も入れる余裕はありません。
慧可(えか)は、青年らしい純情さで、岩窟のすぐ外側の屋根のない部分、すなわち、降りしきる雪の中で立ってお待ちすることにしました。
さて、そのあとで、禅宗史上、最も劇的な対話がなされます。
達磨大師(だるま-だいし)と慧可(えか)の間でどのような問答がなされたのでしょうか? 続きは、先をお読みください。
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