無門関第四則「胡子無髭(こす-むしゅ)」
さて、或庵禅師(わくあん-ぜんじ)が、常々、弟子たちに問うていたという公案が『無門関(むもんかん)』第四則です。
『無門関』は、中国で成立した本ですので、当時の俗語のまじった漢文で書かれています。
まずは、第四則の漢文の書き下し文を掲載します。
(難しいと感じる方は、書き下し文は、読み飛ばしても大丈夫です。)
【原漢文の書き下し文】
『無門関』第四則 胡子無鬚(こす-むしゅ)
<本則(ほんそく)>・・公案そのもの
或庵(わくあん)曰(いわ)く、
「西天の胡子(こす)、甚(なん)に因(よ)ってか、
鬚(ひげ)無き?」
<評唱(ひょうしょう)> ・・無門和尚の禅的な批評
無門(むもん)曰(いわ)く、
参(さん)は須(すべか)らく実参なるべし、
悟(ご)は須らく実悟なるべし。
者箇(しゃこ)の胡子(こす)、直(じき)に須(すべか)らく
親見(しんけん)一回して、始めて得べし。
親見(しんけん)と説くも、早く両箇(りょうこ)と成る。
<頌(じゅ)>・・無門和尚による禅的な漢詩
頌(じゅ)に曰(いわ)く
痴人(ちにん)面前(めんぜん)、
夢を説くべからず。
胡子(こす)無鬚(むしゅ)、
惺惺(せいせい)に曚(もう)を添(そ)う。
以上が、原漢文の書き下し文ですが、これだけでは全く意味が分からないと思いますので、次に現代語訳を掲載します。
(つづく)
<8月のイス禅セミナー:ご案内>
「禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会」(原則月1回開催)
イス禅と禅仏教の古典(『無門関』など)に学ぶセミナーを
8月18日(月)に、秋葉原駅近くの区民会館で開催します。
前半は、誰でもできるイス禅瞑想の実修です。
休憩後の後半は、禅の古典からの講話となります。
禅に関心のある方は、どなたでも参加できます。
日時:2014年8月18日(月)19時~21時(開場18時30分)
場所:JR秋葉原駅そばの「和泉橋区民会館」
(千代田区立の公民館)