禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会(14)開催しました。
禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会(14)開催しました。
あふれる情報の中で何が本当に大切なことか、本質を見抜く直観力が、今まで以上に必要な時代になっています。
不確定性を秘めた変化の激しい外部環境の中で、感性を磨いていくためには、まず内部環境である「心の平安」を取り戻し、感性を磨く工夫が重要です。
この講座では、2500年の歴史をもつ禅的瞑想法を誰でもできる「イス禅」としてお伝えします。
今回はイス禅瞑想を行った後「禅の古典に学ぶ」というテーマで開催しました。
■地獄とは何か?
禅の歴史の中で、最も有名な禅話が多いのが、9世紀の中国で活躍した趙州和尚(じょうしゅう-おしょう)。趙州(じょうしゅう)の禅話の中から、「まっさきに地獄落ち」というお話を紹介します。
趙州(じょうしゅう)の弟子には、僧侶だけではなく、社会で活躍されている在家(ざいけ)の方もいました。現代でいえば、総務省の局長クラスという偉い官僚であった崔(さい)さんが、趙州(じょうしゅう)に質問しました。
「趙州(じょうしゅう)さまのような、悟りを開いた偉い和尚さまでも、地獄に落ちるものでしょうか?」
「地獄」とは、死んでから行くといわれる地獄という意味もありますが、それだけではありません。私たちの心のあり様を示す言葉でもあります。 禅仏教では、「地獄」とは、死んでから行くところではなく、日常生活の中で、怒りや欲望で自分を見失っているときをいうのです。
また、趙州(じょうしゅう)は、「わしが先に地獄に行かなければ、あなたのような迷える人々を救えんからな」と答えました。
自分ひとりで悟りの世界を楽しむことに満足するのではなく、苦しみ悩んでいる人に寄り添い、救おうというのが、大乗仏教の教えであり、禅仏教の理想でもあります。
これをビジネスで置き換えてみた場合に
リーダーのあるべき像を伝えていると思います。困難なとき、危機的なときに、リーダーがその困難から逃げずに、困難な問題と真正面から取り組むことが、チームメンバーを奮い立たせ、道を開くことになるでしょう。
ポイント
- 1.リーダーは、困難に取り組む人である
- 2.自分がまっさきに苦しむという覚悟がチームを奮い立たせる
- 3.覚悟をもって困難に取り組めば、自ずと道が開ける