禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会(4)開催致しました。
2014年6月12日、和泉橋区民館にて第4回目の勉強会を開催致しました。
今回のテーマは「イス禅」、更に「古典に学ぶ禅の思想」ということで、『無門関』(むもんかん)第二十則 大力量人の内容のお話をして頂きました。
この公案は、現代語訳では魚返善雄、西村恵信の訳を使い解説させて頂きました。
「大力量人」とは、俗っぽく言えば、「力のある人」ということですが、たんなる力持ちに使う言葉ではありません。「力量」を辞書で調べると、「物事を成し遂げる力の程度。能力の大きさ。」とあり、文例として「指導者としての力量が問われる」と出ています。
つまり、能力が高いだけではなく、人としての器の大きさを持った「力のある人」を「大力量人」といいます。
さて、禅仏教的な「大力量人」とは、どのような人を言うのでしょうか? 禅の解説書を読むと、「環境に翻弄(ほんろう)されない、つねに平常心を保てる人」ということです。
一定の「悟り」を開いた人ということでしょうが、「悟り」にもさまざまな段階があります。最初のうちは気持ちが大きくなって、「悟りの天狗(てんぐ)」になりがちです。さらに修行が進むと、「悟り」を忘れて、「悟り」の臭みがなくなります。
最高の「悟り」を開いた人は言うまでもなく、お釈迦(しゃか)さまです。お釈迦さまの境涯を「仏」というのですが、仏さまこそ、最高の「大力量人」であるということです。
では、仏さまとは、どのような人かというと、「忍耐力を完成された方」であるといいます。仏教の専門用語でいえば、「無生法忍」(むしょう-ほうにん)を悟ったということです。
また公案は、答えを考えるのだが、考えては答えが見つからない。
心を空(くう)にし、悟る
これに、ならなくては、老師に良いといわれない。
日頃抱えていること、不安なのこと、都心ですぐ行なえるイス禅はとても便利です。
疲れを癒しに是非次回もご参加くださいませ。
2014年7月16日「禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会」