禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会(6)開催致しました。
2014年8月18日、和泉橋区民館にて第6回目の勉強会を開催致しました。
この度、ビジネス禅(笠倉建司著)の監修者である箱田忠昭先生がゲストとしてご参加くださいました。
箱田忠昭先生のプロフィールはこちらになります。
禅は、2500年前のお釈迦さまの時代から、仏教の大事な瞑想修行の方法として受け継がれてきました。しかし、本格的に坐禅をするには、指導してくれる道場が少ない、初心者にとってかなり足が痛くて苦痛であるなどの問題があります。
この勉強会では、誰でもできる禅的な瞑想法として、イス禅を皆さんと一緒に実習致しました。
『無門関』(むもんかん)、『碧巌録』(へきがんろく)など禅の古典から、現代に生きる私たちにも役立つ禅の話を解説させて頂きました。
イス禅の効用(禅的瞑想法による効果)
禅では、「衆生(しゅじょう)本来(ほんらい)仏(ほとけ)なり」といいますが、誰もが本来、仏様と同じ美しい心、宝物のような心を持っているという教えです。
ただ、私たちは、さまざまなストレスや悩みやマイナス感情(煩悩:ぼんのう)を意識や潜在意識の世界に抱えているために、自分の心の宝物を忘れていることが多いといえるでしょう。
イス禅などの瞑想により、心が「空(くう)」に近づく時間をもつことで、自然と心の宝物(「仏性(ぶっしょう)」)が輝きだすといえます。
「空(くう)」とは、禅仏教が考える最高の境地であり、仏様(サムシンググレート)の世界と一体になったところといえます。イス禅などの瞑想法は、心を「空」にすることで、仏様(サムシンググレート)に近づいていく方法といえるでしょう。
一日10分間、イス禅をするだけでも、誰もが本来持っている心の宝物(仏性)が、自然に輝きだします。毎日20分坐れば、もっと効果的です。
<禅の効用>
→心を「空」にすることで、心が安すらぎ、ストレスが溶けていく
→潜在意識のレベルで創造性が高まる
→しなやかで折れにくい心(平常心)が養われる
仏性(ぶっしょう)とは?
「涅槃経(ねはんぎょう)」というお釈迦様のお亡くなりになるときの最後のお説法を書いたお経に「一切衆生 悉有仏性」(いっさいしゅじょう しつうぶっしょう)という言葉があります。
すべての生きとし生けるもの、さらにいえば、宇宙に存在するあらゆるものには「仏性」という「宇宙の根本的な生命力」があるという意味です。
最近の宇宙物理学によると、約137億年前に、芥子粒(けしつぶ)よりも小さな「何か」がビックバンを起こし、137億年かけて、今日の宇宙にまで発展してきました。宇宙全体が、限りない進化発展をする巨大な生命のような存在です。宇宙全体の進化がなければ、私たちは生まれませんでした。
紀元1世紀ころのインドの仏教徒は、宇宙全体を進化させる何者かを瞑想による直観によって理解し、「仏性」と名付けました。
禅の瞑想によって、誰もが、「仏性」の存在に気が付くことができるというのが、禅仏教の基本的な教えです。
「仏性」の存在を瞑想によって直観的に把握できたとき、人は「生かされて生きている自分」に気が付き、深い感謝と喜びの気持ちが湧いてきます。
それが、禅でいう「悟り」です。
というような内容になっています。
是非次回もご参加くださいませ。