謙虚に感謝する心
■ダルマの最終試験(2)
一人目の弟子は、「文字に書かれた教えを踏まえつつも、それにとらわれずに、教えを日常の中で使っております。」と答えました。
禅の教えは、「不立文字(ふりゅう-もんじ)」といい、本当のところは、言葉で伝えきれないといわれています。そのことを踏まえて答えたのでしょう。達磨(だるま)の高弟として、立派な答えです。
それに対して、達磨(だるま)は、「お前は、わしの皮を得ている。」と一定の評価を与えました。とはいえ、「皮を得ている」という言葉は、「正しいけれども、まだ浅いな」というニュアンスです。
次に二人目の弟子は、「私は、仏教の教えの真実味がわかり、物事に執着しなくなりました。」と答えました。
これは、一人目よりも、かなり高い境涯のようで、「お前は、わしの肉を得ている」と達磨(だるま)は言いました。
三人目は、「私は、 肉体も精神も、さらにまた、あらゆる存在も、空(くう)であるとの悟りを得ております。」と答えました。
般若心経の「空(くう)」教えを身につけているということを申し上げたわけです。これに対して、達磨(だるま)は、「お前は、わしの骨を得ている」と、前の2人よりさらに高い評価を与えました。
さて、4人の高弟の中で、最後が慧可(えか)でした。慧可(えか)は何も言わず、黙って達磨大師(だるま-だいし)に丁寧に礼拝し、弟子としての定位置に立ちました。
それを見た達磨(だるま)は、「お前は、わしの教えの真髄を得た」と最高評価を与え、中国禅宗の二代目の指導者として慧可を認めました。
さて、この禅問答から、私たちは何を学べるでしょうか?
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