超越と日常
2015-09-23
私は「スーパー広報術」(配信数13万部)という老舗のメルマガに、毎月2~3回、『ビジネスに役立つ禅の話』というテーマで原稿を掲載しています。(毎月、15日頃と月末頃に配信)
<スーパー広報術> http://s-pr.com/super-prway/
このブログでも、配信済みの原稿は、順次、ご紹介してきましたが、
今回は、第23号(2014年11月中旬に配信)をご紹介いたします。
■万物を超越するもの(1/2)
禅の歴史は、禅僧だけではなく、在家の禅者で有名な方がおられます。
その代表が、ホウ居士(こじ)です(ホウという名前の字は、パソコンに入っていないので、カタカナで書きます)。
ホウ居士は、石頭禅師(せきとう-ぜんじ)に弟子入りしました。
修行がある程度進んだときに、ホウ居士は、師匠の石頭に対して、禅問答を挑みます。
「この世に存在する万物と同じ次元に属さないもの、
何物にも依存せず万物と異なるものは、何者でしょうか?」
と師匠に問うたのでした。
ホウ居士が問うているのは、この世の次元を超越する存在である仏さまのこと、現代風にいえば、サムシング・グレートのことです。
とはいえ、禅においては、サムシング・グレートは、私達人間と別世界にいるのではなく、私たちの心の中にいると捉えます。
私たちが心の中に持っている素晴らしい宝物に気がつくことが禅の悟りです。
ホウ居士が師匠に質問したことは、禅の悟りの本質を問うたのですが、
「それをあらゆる存在を超越するもの」
と質問したところに、ホウ居士の優れた見識が現れています。