馬祖の最後の大説法-4
2015-09-07
■この瞬間こそ、永遠!(2/3)
さて、人間にとって時間とは、「即今(そっこん)、ただ今」しかないといわれます。
過去は記憶の中にあるだけで、今は存在しません。未来は、想像のなかにあるだけで、まだ存在していません。存在しているのは、現在だけです。
そのため、「人生とは、瞬間の積み重ねであり、今日という一日を大事にすることが、幸福になる秘訣である」と捉えることができます。
馬祖のいう「月面仏(がちめんぶつ)」、つまり「この瞬間だ!」という言葉は、まだ理解しやすいといえるでしょう。
それに対して、「日面仏(にちめんぶつ)」つまり「永遠」とは、何を指しているのでしょうか。
現代風にいえば、「サムシング・グレート(何かは分からないが、人智を超えた偉大なもの)」つまり、神仏を表していると思われます。
人間は、自分だけで生きているのではない、「サムシング・グレート」によって「生かされて生きている存在」だという宗教的な知恵を象徴するのが「日面仏」ではないでしょうか。
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