『新緝 森信三全集』について

2013-11-20

『修身教授録』および森教学(森信三先生の教え)は教育関係者だけはなく、広く政財界でも信奉者を集めています。その代表は、SBIグループの創業者である北尾吉孝氏(SBIホールディング代表取締役社長)です。

北尾氏は『森信三に学ぶ人間力』(致知出版社、2011年刊行)という解説書まで出されています。

(ちなみに、北尾吉孝氏は、SBIホールディングス代表取締役社長です。野村証券出身で、SBIグループの創業者であり、現在、SBIグループは、連結売上高15百億円の東証一部上場企業です。)

一部上場企業の現役経営者である北尾吉孝氏が、42歳の時に森信三先生の『修身教授録』に出合い、森先生に私淑して、以来20年近く、忙しい仕事の合間を縫って、森信三先生の人生と思想・哲学を学ばれたそうです。

そして、森信三先生の教えの全体像を一般人にもわかりやすく伝えるため、森教学の入門書としてまとめた本が『森信三に学ぶ人間力』であるとのことです。(本の宣伝文より)

北尾氏ほどの一流の経済人を夢中にさせる力が森信三先生の教えにはあるということでしょう。

さて、少し話が変わりますが、致知出版社のロングセラーの一つに
『現代の覚者たち』(昭和63年、1988年6月初版)という本があります。
1980年代に『月刊致知』に掲載された各界の一流人物のインタビュー記事から、7人の記事と対談をまとめた本です。

その7人とは、まず森信三先生(哲学者)を筆頭に、
鈴木鎮一(世界的に有名なバイオリンのスズキメソッド開発者)、
三宅廉(周産期医療の先覚者、パルモア病院院長)、
坂村真民(仏教詩人)、
関牧翁(天竜寺管長、昭和の臨済宗を代表する禅僧の一人)、
松野幸吉(松下幸之助の弟子で、日本ビクター元社長)、
平澤興(世界的な神経医学者、元京都大学総長)の7名です。

元が雑誌に掲載されたインタビュー記事や対談ですから、とても読みやすい本です。

それでも、取り上げられているのが、いずれも自らの信じる道を究めた優れた方々ばかりですし、その方々が、自らの人生の軌跡を振り返りながら、それぞれの人生信条を率直に語っており、とても感動的です。

私は、10年くらい前に『現代の覚者たち』を読んで深い感銘を受けました。

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