『新緝 森信三全集』について

2013-11-20

『新緝 森信三全集』発刊を期に、私自身が、森信三先生の全一学を勉強しつつあるところですので、読書会の課題図書として『現代の覚者立ち』を読んでも、森信三先生の記事にのみ、関心が集中していまいました。

また、その中でも、森信三先生ご自身が、創唱された「全一学」に関する部分が、最も関心を持った場所であります。

『現代の覚者立ち』p.18~20より

―さて、そろそろ本題に入りますが、先生は八十歳のときに、西洋哲学と東洋哲学を融合した「全一学」を提唱された。
先生の言葉を借りれば、その人の命に溶け込んで人生を生きる真の“力”になる哲学。
簡単にいえば、人間の生き方に関係のない学問はいけないのだ、と。

【森】 それをいい続けてきたわけですよ(笑)。

つまり、私が生涯を通して求めてきたものは、
「人間はいかに生きるべきか」という人生の根本問題です。

だから、それが哲学にせよ、宗教にせよ、
このいかに生くべきかという人生の根本問題に対して
 無関係な学問は全く無縁の長物だということです。

で、哲学という言葉の代わりに、
もっとしっくりとくる言葉はないかと思いましてね、
「全一学(ぜんいつがく)」と名付けた。

森信三先生は、自分が生涯をかけて求め続けたものは、
「人間はいかに生きるべきか」という人生の根本問題です。」
と端的に言い切っておられます。

思えば、江戸時代までの儒学の世界においては、学問の目的は、「聖人に近づくこと」であり、人間形成そのものでした。

しかし、明治以降、日本に、近代科学が導入されて、目覚しい経済発展を遂げてから、学問(科学)と人生は、切り離されて考えられるようになりました。

しかし、森信三先生は、正面から「人間はいかに生きるべきか」という問題に生涯をかけて取り組みました。
そこから、「全一学」が生まれてきたといいます。

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