仏の頭を踏み越えろ!

2014-09-14

■仏を忘れるのが、禅(2/3)

粛宗皇帝(しゅくそう-こうてい)は、若い皇太子の時代から、熱心に禅の修行をしてきた方ですから、「仏さまと同じ清らかな心を持っている」という基本は、しっかり悟っています。

しかし、初歩の悟り、基本の悟りを開くと、つい、それに捉われてしまいがちなのが、人間の性(さが)です。

粛宗(しゅくそう)が、基本の悟りに捉われているのを見抜いた忠国師(ちゅう-こくし)は、粛宗(しゅくそう)をさらに進歩させようと、

あえて「仏さまの頭を踏み越えろ!」(=「悟りをありがたがらずに、その悟りを捨ててしまえ!」)という逆説法をしたのでした。

分かりやすく教えないで、ヒントをあたえて自分で考えさせるのが、

禅の指導法です。

そのため、すぐには相手が理解できないこともあります。

粛宗(しゅくそう)も、忠国師(ちゅう-こくし)の言葉を理解できず、さらに指導を求めました。

それに対して、忠国師(ちゅう-こくし)は、

「誰もが、本来、清らかな心を持っており、

それを悟ることが大事だが、
その悟りに捉われてはいけないよ。」

と丁寧に答えたのでした。

この話が載っている禅の本では、ここで話が終わっていますが、おそらく、修行熱心な粛宗(しゅくそう)は、忠国師(ちゅう-こくし)の指導によって、さらに悟りを深めることができたと思われます。

<9月のイス禅セミナー:ご案内> 「禅の知恵と古典に学ぶ人間学勉強会」(原則月1回開催) イス禅と禅仏教の古典(『無門関』など)に学ぶセミナーを

9月17日(水)に、秋葉原駅近くの区民会館で開催します。

前半は、誰でもできるイス禅瞑想の実修です。

休憩後の後半は、禅の古典からの講話となります。

禅に関心のある方は、どなたでも参加できます。

日時:2014年9月17日(水)19時~21時(開場18時30分)

場所:JR秋葉原駅そばの「和泉橋区民会館」

(千代田区立の公民館)

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