呼べばこたえる山彦

2014-09-14

■三度呼んで三度応える(2/2)

まず、慧忠(えちゅう)は、「応真!」と侍者を呼び、侍者の応真(おうしん)は、「ハイ」と答えて、すぐに隠寮(いんりょう)にお伺いしました。しかし、慧忠(えちゅう)国師からは、何も言われません。

そこで、侍者(じしゃ)の控室である侍者寮(じしゃりょう)にもどると、再び、慧忠が「応真~!」と呼びます。

応真は、すぐに「ハイ!」と返事をして、隠寮(いんりょう)に行きますと、また何も言われません。

応真(おうしん)が侍者寮にもどると、三たび、「応真~!」と呼ばれます。応真は、ただちに「ハイ!」と答えて隠寮に行きました。

今度は、慧忠(えちゅう)は、弟子である応真(おうしん)に向かって、

「これまでは、わしの指導が悪いからお前が悟れないと思っていたが、

これでは、お前の方が悪いね」と言いました。

この故事を「三喚三応(さんかん-さんのう)」<三度呼んで、三度こたえる>と言います。

慧忠(えちゅう)が三度、侍者を呼び、侍者の応真(おうしん)は、

三度「ハイ」と応えたという、ただそれだけですが、

禅的には深い意味があるとされます。

なぜ、慧忠国師(えちゅう-こくし)は、用事もないのに三度呼んで、

なぜ、弟子の応真(おうしん)は、ただ三度返事をしたのでしょうか?

それだけで、なぜ「弟子である応真(おうしん)が悪い」

ということになるのでしょうか?

ここが、この禅問答のポイントです。

どうぞ、つづきをお読みください。

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