悩みは成長の原動力、ビジネスに役立つ禅の話
2014-04-18
■慧可がヒジを切り落とす(3/3)
慧可(えか)の本音は、「自分の悩みや不安や苦しみを解決したい」ということでした。恥も外聞も捨てて、その思いになりきったとき、達磨大師(だるま-だいし)は、慧可(えか)の真剣さを認めたのです。
「他人を救おうなどと、大それたことを考えなくてもよい。まずは、自分の悩みを解決せよ」と達磨大師は、無言のうちに慧可(えか)に教え諭したのでした。
理屈を言えば、自分を自分で救えないものが、他人を救う力はないということです。まず、自分を救うための努力や修行をして、力をつけてから他人を救う方に行かないと、あぶはち取らずになってしまいます。
しかし、達磨大師の態度は、そのような理屈を超えています。
「自分をごまかさずに、本音そのものになって、ひたすら自己の救いを求めよ。そうすることによって道は開ける」ということです。
ビジネスの世界でも同じではないでしょうか。
松下幸之助氏(パナソニック創業者)は、
「人には燃えることが重要だ。
燃えるためには薪(たきぎ)が必要である。
薪(たきぎ)は、悩みである。悩みが人を成長させる。」
と言っています。
悩みから逃げずに、それを解決しようとあきらめずに努力すること、それが人を成長させてくれるのです。ひいては、ビジネスの成功にもつながることでしょう。
達磨大師(だるま-だいし)と慧可(えか)のエピソードは、「悩みから逃げずに、素直な気持ちで悩みと向き合いなさい。そうすれば、かならず救いの道が開けてくる」という教えとして受け止めたいと思います。
<ここがポイント>
1.悩みから逃げないこと。
2.悩みは人を成長させてくれる。
3.素直な気持ちで悩みに向き合えば、必ず救いの道が開ける。
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