馬祖の最後の大説法-3
2015-09-07
■この瞬間こそ、永遠!(1/3)
馬師(ばそ)の言った
「日面仏(にちねんぶつ)、月面仏(がちめんぶつ)!」
の「日面仏(にちめんぶつ)」とは、1800歳という極端に長い寿命をもつ仏様としてお経に出てきます。
この1800歳とは、永遠を象徴している表現です。おそらく、熱帯のインドでは、太陽が、常に同じような姿でぎらぎらと輝いているのでしょう。
それを見た古代インドの僧侶は、太陽の姿に永遠を感じて、最も長寿な仏様として「日面仏(にちねんぶつ)」を考えたのでした。
それに対して、「月面仏(がちめんぶつ)」とは、わずか一日一夜の短命な仏様です。お月様には、満ち欠けがあるので、毎晩姿を変えて夜空に輝きます。
古代インド人は、毎日毎晩、夕方に生まれた月が明け方とともに死んで、次の夜には、少し姿をかえて生まれ変わると感じたのでしょう。
「月面仏(がちめんぶつ)」とは、毎日変化する私たちの人生を象徴していると思われます。
私たち人間は、子供は日々成長し、大人は日々変化し、老人は、日々に年をとります。
突き詰めていえば、人生は、常に新鮮な瞬間の積み重ねであり、瞬間ごとに新しい人生が生まれていると言えるでしょう。
馬祖は、自分の病気のことを聞かれて、
「日面仏(にちねんぶつ)、月面仏(がちめんぶつ)!」
と答えましたが、
現代風に言いかえれば、「人生とは、永遠と瞬間である」と答えたのでありました。
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