「宇宙とぶっつづきの自己」

2013-10-20

毎日新聞に掲載された元世界銀行副総裁の西水美恵子さんの

「時代の風:東日本大震災から2年 ◇日本から学ぶ10のこと」
       (2013年02月10日 東京朝刊)

という記事には、世界銀行やIMF(国際通貨基金)関係者のあいだで、大震災直後に流れたチェーンメールの記事が掲載されています。
(「毎日JP」より http://mainichi.jp/opinion/news/20130210ddm002070090000c.html )

「日本から学ぶ10のこと」とは、次のような内容です。

(1)The Calm(平静)
 悲痛に胸を打つ姿や、悲嘆に取り乱す姿など、見あたらない。
悲しみそのものが気高い

(2)The Dignity(威厳)
 水や食料を得るためにあるのは、秩序正しい行列のみ。
乱暴な言葉や、無作法な動作など、ひとつとてない。

(3)The Ability(能力)
 例えば、驚くべき建築家たち。ビルは揺れたが、崩れなかった。

(4)The Grace(品格)
 人々は、皆が何かを買えるようにと、自分に必要な物だけを買った。

(5)The Order(秩序)
 店舗では、略奪が起こらない。
路上では、追い越し車も警笛を鳴らす車もない。
思慮分別のみがある。

(6)The Sacrifice(犠牲)
 50人の作業員が、原子炉に海水をかけるためにとどまった。
彼らに報いることなどできようか?

(7)The Tenderness(優しさ)
 レストランは、値を下げる。
無警備のATM(現金自動受払機)は、そのまま。
強者は弱者を介助する。

(8)The Training(訓練)
 老人も子供も、全ての人が、何をすべきかを知っていた。
そして、すべきことをした。

(9)The Media(報道)
 崇高な節度を保つ速報。愚かな記者やキャスターなどいない。
平静なルポのみがある。

(10)The Conscience(良心)
 停電になった時、レジに並んでいた人々は、
品物を棚に戻して静かに店を出た。
 
真のインスピレーションを感じる。日いずる国で起こっていることに。
(西水美恵子さん訳)

日本人が、大変な国難の中で示した冷静で他者への思いやりに満ちた態度に、世界中が感動し、日本人と日本文化を尊敬しました。

このような態度こそ、

「宇宙とぶっつづきの生命を今、ここで生きる」(内山興正老師)

態度ではないでしょうか。

沢木興道老師が、

さとりとは、けっして面倒なところへゆくことではない。
アタリマエになることである

というとき、それは、
「日本人が本来持っている気高い精神性を日常生活の中でも忘れないでいるように」
と語りかけているように私には感じられます。

 私たちが本来持っている精神性を思い出すために坐禅をせよというのが、沢木老師の教えではないかと思います。

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